🌙 金曜日の夜に考える:2025年下半期に向けたフリーランス戦略の転換点

こんばんは、Miyu Canvasです。

金曜日の夜、いつものように23時頃にブログを書いています。今週も一週間お疲れさまでした。6月も下旬に入り、今年も早くも半分が過ぎようとしていますね。

金曜日の振り返りと上半期総括

今日で今週の仕事も一区切り。週末を前に、この半年間を振り返ってみると、フリーランスとして10年目を迎えた今年は、UI/UXデザイン業界の変化のスピードに改めて驚かされる半年でした。

前回のブログで「フリーランス10年目の現在地」について整理しましたが、その後の約2週間でさらに明確になってきたことがあります。それは、フリーランスデザイナーに求められるスキルセットが、これまで以上に「戦略的思考」にシフトしていることです。

今週だけでも、3つのクライアントプロジェクトで感じたのは、単純な「デザイン制作」よりも「デザイン戦略の立案」や「ビジネスゴールとの連携」を求められる案件が確実に増えていることです。特にAI技術の普及により、基本的なデザイン作業の価値が相対的に下がっている中で、「なぜそのデザインが必要なのか」を論理的に説明できる能力がより重要になっています。

2025年フリーランス市場の現実と向き合う

今週、最新の調査データをいくつか読み返していて、興味深い傾向が浮かび上がってきました。2025年のフリーランスの約64%が「収入増」を最も重視している一方で、求められるスキルの幅は確実に広がっています。

UI/UXデザイナーの場合、従来の「Photoshopが使える」「HTMLとCSSが分かる」というレベルから、ユーザー心理学、データ分析、AIとの協働、そしてビジネス戦略への理解まで、多岐にわたる専門性が要求されるようになりました。

私自身、今年前半に取り組んだAI協働プロジェクトを通じて実感したのは、「AIをパートナーとして活用する」ためには、従来以上に深い業界知識と戦略的思考が必要だということです。AIは確実に作業効率を向上させてくれますが、その方向性を決めるのは人間の判断力なのです。

EU アクセシビリティ法制化の現実的影響

来週末でいよいよ6月が終わり、EU市場でのアクセシビリティ要件法制化が本格始動します。今週も、ヨーロッパ展開を視野に入れているクライアントから「アクセシビリティに配慮したUI設計」の相談を受けました。

これまで「あればよい」とされていた機能が、今や「法的要件」となることで、デザイナーとしての責任の重さも変わってきています。ただ、興味深いのは、アクセシビリティを意識したデザインは、結果として全体のユーザビリティ向上につながることです。

色のコントラスト比を適切に設定したり、音声インターフェースを考慮したりすることで、障害の有無に関わらず、すべてのユーザーにとって使いやすいデザインが実現できます。

今週の進展:音声UIプロトタイプに着手

前回お話しした音声UIについての研究ですが、今週ついに小さなプロトタイプの制作に着手しました。平日の夜の時間を使って少しずつ進めているのですが、視覚に依存しないインターフェース設計は、これまでの経験とは全く異なるアプローチが必要で、非常に刺激的な挑戦となっています。

特に面白いのは、従来の「見た目の美しさ」ではなく、「聞き取りやすさ」「理解しやすさ」「記憶に残りやすさ」といった全く別の評価軸でデザインを考える必要があることです。これは、UI/UXデザイナーとしての思考の幅を大きく広げてくれる体験です。

プロトタイプ制作を通じて見えてきたのは、音声UIは単なる技術的な挑戦ではなく、真のインクルーシブデザインを実現するための重要な手段だということです。視覚障害者だけでなく、運転中や料理中など「手が使えない状況」の健常者にとっても価値のある機能になり得ます。

AIとの協働で見えてきた新しい検証手法

数ヶ月前から継続しているAI協働プロジェクトですが、今週特に注目している成果があります。それは「AIとの対話を通じたアクセシビリティ検証」手法の確立です。

デザイン案を作成した段階で、AIに対して「このUIはスクリーンリーダーを使うユーザーにとってどうか?」「色覚異常のユーザーにはどう見えるか?」といった質問を投げかけることで、私たちが見落としがちな問題点を早期に発見できるようになりました。

もちろん、実際のユーザーテストに勝るものはありませんが、設計段階での初期検証としては非常に有効です。これにより、アクセシビリティを「後から追加する機能」ではなく、「設計段階から組み込む前提」として扱えるようになってきています。

週末と下半期に向けた戦略

明日からの週末は、下半期に向けた戦略をじっくり考える時間に使おうと思っています。いくつかの新しい挑戦を計画中です。

まず、音声UIプロトタイプをさらに発展させ、実際のクライアントプロジェクトで提案できるレベルまで完成度を高めたいと考えています。この分野はまだ競合が少なく、先行者利益を得られる可能性があります。

次に、AI協働のノウハウを体系化し、他のデザイナーとも共有できる形でまとめることを検討しています。フリーランスとして10年の経験を積んだ今、業界全体の底上げに貢献することも重要な役割だと感じています。

データドリブンなデザイン判断の必要性

今週のプロジェクトで改めて痛感したのは、「感覚的なデザイン」から「データに基づいたデザイン」への転換の必要性です。フリーランスとして競争力を維持するためには、デザインの根拠を数値で示せることが不可欠になってきました。

ユーザビリティテストの結果、A/Bテストによるコンバージョン率の改善、アクセシビリティの準拠レベルなど、すべてを定量的に説明できることが当たり前の要求となっています。これは決して悪いことではありませんが、デザイナーとして新たに身につけなければならないスキル領域が確実に増えていることは事実です。

フリーランス10年目の責任と視点

フリーランスとして活動を始めた2015年頃を振り返ると、市場環境は大きく変化しました。当時は「個人のクリエイティビティ」が重視されていましたが、今は「ビジネスゴールの達成」により強い焦点が当てられています。

この変化を脅威として捉えるのではなく、「より戦略的で価値の高いサービス」を提供する機会として活用していくことが重要だと考えています。単純な制作作業はAIに任せ、私たちは問題発見、課題設定、創造的解決策の提案により多くの時間を使える環境が整いつつあります。

継続学習への新しいアプローチ

変化の激しいこの業界で生き残るための学習戦略も進化させています。従来の「新しいツールの使い方を覚える」という表面的な学習から、「なぜその変化が起きているのかを理解する」という深いレベルでの学習に重点を置いています。

例えば、アクセシビリティ法制化も単に「新しいルールができた」と捉えるのではなく、「多様性を尊重する社会への転換点」として理解することで、今後のデザイン戦略により深い洞察を得られます。

技術的なトレンドの背景にある社会的ニーズや価値観の変化を理解することで、一時的な流行に惑わされることなく、本質的に価値のあるスキルを身につけていけると考えています。

今週もお疲れさまでした。明日からの週末を使って、しっかりと下半期に向けた準備を整えていこうと思います。変化を恐れるのではなく、それを成長の機会として捉え、より価値の高いサービスを提供できるデザイナーを目指していきます。

皆さんも良い週末をお過ごしください。おやすみなさい🌙

タイトルとURLをコピーしました