こんばんは、はぐみんです。
梅雨入り前のさわやかな陽気が続いていて、子どもたちも元気いっぱいです。
注目の保育ICT化100%推進について
最近、保育業界で話題になっているニュースがあります。政府が2025年度中に保育のICT化を100%達成することを目指すと発表されたことです。一保育士として、この動きにはとても関心を持っています。
私たちの園では、2023年10月から保育業務管理システムを導入し、私も運用改善の担当をさせていただいています。この1年半あまりの経験を通して、ICTシステムの可能性と課題の両面をリアルに感じてきました。
実際に感じているICT化の利点
まず、大きなメリットとして感じているのは記録業務の効率化です。以前は手書きで行っていた日誌や個別記録が、システム上で簡単に入力・管理できるようになりました。特に、子どもたちの成長記録を写真付きで残せるようになったのは画期的でした。
4歳のHくん(仮名)の変化を例に挙げると、春頃は集団活動への参加が難しい場面もありましたが、システムに記録を残していくことで、小さな成長の積み重ねが可視化されました。「今日は10分間、みんなと一緒に座って話を聞けました」という記録から始まって、今では最後まで集中して参加できるように。保護者の方にもその成長過程を画像と共にお伝えできるので、より具体的で分かりやすい情報共有ができています。
また、情報共有の迅速化も大きな変化です。各クラスの担任間での申し送りや、看護師さんとの健康管理情報の共有がスムーズになりました。アレルギー対応や体調管理など、子どもたちの安全に直結する情報を確実に伝えられるのは安心感があります。
現場で感じる課題も正直に
一方で、ICT化には課題もあります。最も大きいのはシステムに慣れるまでの時間と労力です。特にベテランの先生方の中には、「手書きの方が早い」と感じる方もいらっしゃいます。
私自身、運用改善担当として園内でのサポートをしていますが、操作方法の質問を受けることは今でもよくあります。5月のGW中に作成したマニュアルは好評でしたが、それでも「この場合はどうするの?」といった個別の疑問は尽きません。
また、システムトラブル時の対応も課題の一つです。先月、一時的にシステムが不安定になった際、普段ICTに頼っていた業務が滞ってしまいました。デジタル化を進める一方で、アナログな手法もバックアップとして残しておく必要性を感じました。
5月のフリーマーケット経験から考える地域との連携
前回の投稿でお話しした5月20日のフリーマーケットでの経験も、ICT化について考えるきっかけになりました。手作りおもちゃワークショップで出会った保護者の方々との会話の中で、「保育園での様子をもっと知りたい」という声をたくさん聞きました。
ICTシステムによって保護者の方への情報発信も格段に向上しています。日々の活動の様子を写真付きでお伝えしたり、お迎え時間の変更などの連絡をスムーズに行えたり。ただし、大切なのは技術ありきではなく、あくまで保護者との信頼関係を深めるためのツールとして活用することだと思います。
フリーマーケットでお話しした3歳のお子さんのお母さんも、「保育園に通わせる時は、日々の様子をちゃんと教えてもらえるかが不安」とおっしゃっていました。ICTシステムがあることで、より丁寧で具体的な情報をお伝えできると説明すると、とても安心された様子でした。
ICT化100%達成に向けて思うこと
政府が掲げる「2025年度中にICT化100%」という目標について、現場の立場から率直な気持ちをお話しすると、方向性としては素晴らしいものの、実現には丁寧なサポートが必要だと感じています。
システムを導入すれば自動的に効率化が進むわけではありません。私たちの園でも、導入から本格的な効果を実感できるまでに半年以上かかりました。各園の実情に合わせたカスタマイズや、職員研修の充実、そして何より「なぜICT化を進めるのか」という目的の共有が重要だと思います。
6月の目標:子どもたちとじっくり向き合う時間を大切に
6月に入り、梅雨の時期を迎えます。雨の日が続くと外遊びが制限されがちですが、その分、室内での活動を充実させたいと思っています。
ICTシステムのおかげで書類作業が効率化された分、子どもたち一人一人とじっくり向き合う時間を確保できています。先週も、2歳のIちゃん(仮名)がパズルに挑戦する様子をゆっくり見守ることができました。最初は難しそうにしていましたが、「ここかな?」「あっちかな?」と声をかけながら、最後まで諦めずに完成させた時の嬉しそうな表情は忘れられません。
こうした一瞬一瞬の成長の瞬間を大切にできるのも、ICTシステムによる業務効率化の恩恵だと感じています。技術は手段であって目的ではない。最終的には、子どもたちの豊かな成長をサポートすることが私たちの一番の役割だということを改めて実感しています。
梅雨を楽しく過ごす工夫
雨の日の室内活動についても、最近新しいアイデアを試しています。フリーマーケットで好評だった手作りおもちゃの要素を取り入れて、子どもたちと一緒に簡単な制作活動を行っています。
先日は、年中クラスの子どもたちと「雨の音楽器」を作りました。空のペットボトルに小豆やお米を入れて、雨の音を表現する楽器です。Jくん(4歳・仮名)は「ざあざあ雨と、ぽつぽつ雨で音が違うね!」と発見し、Kちゃん(5歳・仮名)は「傘に当たる音も作れるかな?」と創造力を働かせていました。
こうした活動の記録も、ICTシステムを使って効率的に残すことができています。写真を撮って、簡単なコメントを入力するだけで、活動の様子と子どもたちの反応を記録できるのは本当に便利です。
森探検活動の続報
これまでお話ししてきた「森探検」活動も、6月に入って新たな展開を見せています。先週は久しぶりに年長クラスの子どもたちと近隣の林に出かけました。
5月の新緑の頃とは違って、葉っぱの色や形、生えている植物の種類も変わってきています。Lちゃん(5歳・仮名)は「この花、前はなかったよね?」と季節の変化に気づき、Mくん(5歳・仮名)は「虫の種類も変わってる!」と観察力の成長を見せてくれました。
こうした自然観察の活動も、ICTシステムを活用して記録を残しています。GPS機能を使って探検したルートを記録したり、発見した植物や生き物の写真を撮ったり。データとして蓄積していくことで、季節による変化の比較もできるようになりました。
保育士として感じる充実感
最近、保育の仕事をしていて特に充実感を感じるのは、ICTシステムの活用によって子どもたち一人一人の成長をより詳しく記録・共有できるようになったことです。
以前は記録を取ることに時間を取られがちでしたが、今は効率的に記録を残せるため、観察や関わりにより多くの時間を使えています。結果として、子どもたちの小さな変化や成長にも気づきやすくなりました。
3歳のNちゃん(仮名)が、最近お友達と一緒に遊ぶようになったこと。4歳のOくん(仮名)が、困っているお友達を自然に助けられるようになったこと。こうした「心の成長」も、日々の記録の積み重ねで見えてくるものです。
これからの保育ICTに期待すること
ICT化100%という目標に向けて、現場の保育士として期待していることがあります。それは、保育の質の向上につながるような機能の充実です。
例えば、子どもたちの発達段階に応じた活動提案機能や、個別配慮が必要な子どもたちへのサポート方法のデータベース化など。技術の力を借りながら、より専門性の高い保育を提供できるようになれば素晴らしいと思います。
また、保護者の方との連携もさらに深めていけたらと思います。園での様子をリアルタイムでお伝えしたり、家庭での様子を教えていただいたりすることで、園と家庭が一体となって子どもたちの成長をサポートできる環境づくりが理想です。
今週の小さな目標
新しい一週間が始まり、今週も子どもたちとたくさんの発見や学びを共有したいと思います。梅雨入りに備えて、室内活動のレパートリーも増やしていきたいですし、ICTシステムの活用もさらに工夫していきたいと思います。
何より、子どもたち一人一人の「今日はこんなことができたよ!」「こんな発見があったよ!」という喜びの声を大切に受け止めて、成長の瞬間を見逃さないように心がけたいと思います。
明日からまた新しい一週間、どんな素敵な瞬間に出会えるでしょうか。楽しみにしています✨
おやすみなさい🌙